半田屋伝統のレシピは、昔ながらの「おふくろの味」です。いろいろな世代のお客様がその味を目当てにご来店くださいますので、新メニューを作るときにもその味を大事にしています。もちろん食材を工夫したり、調理法を工夫したりして、新しいものはどんどん取り入れていきます。
現在、メニュー開発の担当は3人いますが、好みが偏らないよう担当者の間でもとことん話し合って、全員が納得した味にしてから開発会議に提案するようにしています。
これは全て、男性、女性、お子様からお年寄りまで、そして昔からのお客様、新しいお客様、どんなお客様にも美味しく、満足していただきたいと思っているからです。
半田屋は、安く、美味しく、お腹いっぱいになる、ということで、学生さんや男性の方向けのお店だと思われやすいんですが、もう一つのいいところは、組み合わせが自由だということ。組み合わせ次第で、学生さんや男性の方ならボリューム満点のがっつり食べられる組み合わせができます。
お年寄りや健康が気になる方なら、野菜中心のヘルシーな組み合わせや、少しずついろんな種類を組み合わせることができます。自分好みの組み合わせが作れることが、多くのお客様に支持されているポイントでもあります。
だから、皆さんが思っている以上に、女性やお年寄りの方のご利用も多いんですよ。
メニューを考えてからレシピに起こすまで半月~1カ月ほどかかります。店頭に並ぶのは3カ月後くらい。大体の場合は、もうこれでもか、というぐらいに試行錯誤を繰り返します。なかなか意見がまとまらなくて、うまく形にならないことも少なくありません。
でも不思議なことに、ヒット商品になるようなメニューはなぜか試作段階からスムーズに行くことも多いんです。
例えば「漬け鮪カツ」は試作で一発OK。自分の考えたことや狙いが他のスタッフにも認められて、さらにお客様にも選んでいただいてヒットメニューが生まれたときはまさに快感です。
もともと料理を作ったりメニューを考えたりするのは好きですが、そのときは本当に、心からこの仕事をやっていてよかったと思います。
私はお店で2年ほど調理に携わっていました。それもあって、今でもお店に出ることが多くあります。開発担当者としては、現場の反応はとても重要です。
どのメニューがいつどのタイミングで選ばれるのか、迷った結果どうされるのか、パッと取ってもらえるのか、お客様の表情、会話など、現場に来ないとわからない反応は、新しいメニュー作りにもとても参考になります。
また、私以外の開発担当者は男性なので、女性ならではの視点で積極的にアイデアを出すことも心がけています。
例えば、以前考案した「広東麺」は、私自身も好きな「あんかけ」を取り入れてみました。最初、男性スタッフにはそこまで反応がよかった訳ではありませんでしたが、結果的には大成功。女性の人気メニューの一つとなっています。
今、食材についても、仕入れの担当者が国産の旬のものを中心に、安心で美味しい食材を一生懸命に探してきてくれます。その食材を活かしてたくさんのメニューを考え、お客様にいかにより美味しく楽しんでいただけるか、それが私たちの仕事です。「長野県産しめじフェア」などのように、産地を見えるようにするなど、お客様に安心して食べてもらうための取り組みを今後もどんどん行っていく予定です。
私も昼食はだいたい半田屋で食べています。組み合わせを変えることが出来ますし、メニューに変化もあるので、毎日食べても飽きない、ということは、1ユーザーとして実感しています。実は、他のスタッフも昼食や休日に利用しているんですよ。みんな半田屋の味が大好きです。やっぱり「おふくろの味」だからでしょうか。この味は家でのご飯のようにほっとします。
幅広い世代の方々にご好評いただいている半田屋ですが、それでもまだまだ、学生や男性のイメージが強いようです。半田屋でもっと広い層の方々に満足してもらえるように、今後は健康志向の女性や育ち盛りのお子様などにも、さらに喜んでもらえるメニューをどんどん作っていきたいと考えています。